アメリカ留学の思い出 - シカゴ行きの機上でアメリカ留学の思い出 - シカゴ行きの機上で 「自分の英語がアメリカ人に本当に通じるだろうか?」 期待と不安の入り混じった感覚とは、まさにこういうことなのだろう。アメリカの大学に留学するために乗り込んだシカゴ行きの飛行機の中で、僕は自分の座席を探していた。 自分の隣の座席には、僕より少し年上風の日本人女性がすでに座っていた。僕は留学する前から、アメリカでは日本語は決して使うまいと決心していた。とは言うものの、自分の隣の座席に日本人が座っているので早くもこの決心が崩れてしまいそうになった。幸か不幸か、その女性はどうやら読書に没頭しているようで、会話のきっかけさえなかなかもつかむこともできなかった。その女性も僕と同じ決心でもしているかのようであった。 そうこうしているうちに、金髪碧眼のスチュワーデスがドリンクの好みを聞きにやってきた。僕はその時、胸が高鳴るのを感じていた。といっても、そのスチュワーデスが美人だからというのではなく、英語が通じるかどうかという不安によるものだ。 "What would you like to drink?" "I'll have a red wine, please." その日本人女性は少しイギリス訛りの英語で言った。 "What would you like to drink, sir?" 心の中では、どんなドリンクの種類があるかどうか聞きたかったが、結局、口から出てきた表現は、 "Coke, please" だけだった。 何だかちょっと情けない気持ちになったが、先はまだ長い。シカゴに到着するまでに、スチュワーデスに英語で自分から話しかけてみることを心に誓う。
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